ほうすけのひよこ


谷川俊太郎は、良い絵本をいっぱい出してるけど、
最近見つけたのはこれ。


ほうすけのひよこ

ほうすけのひよこ


なんだか、味わい深いんです。


むかしむかしのある村に、ほうすけさんが住んでいる。
ちゃんとした家ではなくて、ほらあなに。
村人に姿は見せず、ひっそりと。


でも、歌が聞こえてきたり、
子孫が絶えてしまった墓の掃除がしてあったり、
お墓全部に花が供えてあったり、
干してあるおいもとか、古布なんかがなくなったりすると、
村人は、「ああ、ほうすけだな」と思う。


で、ある寒い冬、めんどりが盗まれて、
怒った村人はほうすけを袋叩きにする。


その後、ほうすけが、ひよこを2羽届けに来る。
つまり、めんどりを盗んだのは、ほうすけ。
だけれども、めんどりを食べる前に卵を二つ取って、
育てたひよこを返しにきたわけ。


そして、ほうすけはいなくなる。


それから、その村の墓は荒れて、
手入れをするものはいなかった。




「しばてん」に通じるものがあるなあ。
「だいこんどのむかし」も。