夜のピクニック


第2回本屋大賞受賞作です。読みました。イイ。
爽やかな青春群像。
はじめ、反発や遠慮でぎこちなかった二人が、
心情をゆっくりと変化させていく。


受験前の高校生。
もしくは、高校生だった人たちにおすすめ。




それで、話題は違う方向へいっちゃうんですけれど、


この『夜のピクニック』中の部分。
登場人物の一人が、人生のタイミングについて語る時に、
ナルニア国物語』を例に出すんですよ。


従兄弟から、折々に本をプレゼントされていたが、
自分は読みもしなかった。
最近その本を、つまり、ナルニアを読んでみたら、
続きが気になって、全巻読みあげてしまった。
そして、こういう風に彼は思う。


・・・「うん。『しまった、タイミング外した』だよ。なんでこの本をもっと昔、小学校の時に読んでおかなかったんだろうって、ものすごく後悔した。せめて中学生でもいい。十代の入り口で読んでおくべきだった。そうすればきっと、この本は絶対に大事な本になって、今の自分を作るための何かになってたはずだったんだ。そう考えたら悔しくてたまらなくなった。従兄弟は、闇雲に本をくれてたわけじゃなかった。うちの兄弟の年齢や興味の対象を考えて、その時々にふさわしい本をえらんでくれていたんだ。従兄弟が本をくれた時に、すぐ読んでいれば。従兄弟が選んでくれた順番に、素直に読んでおけば、こんなことはなかったのに。あれくらい悔しかったことって、ここ暫く思いつかないな」・・・


こういうこと書ける人って、そうそういない。
恩田陸って、すごい人。
ちゃんと、要所が押さえられてる感じがする。