日本のカラクリ・メモ1


『日本人だけが知らない日本のカラクリ』
2000.11.15発行 パトリック・スミス著 森山直美訳 新潮社


に、よれば、

アメリカ人がやってきて、日本人に分かっていたのは、
・戦争がおわったこと、
天皇のために死ぬことはなくなったこと、
・勝者には自分たちを虐殺するつもりはない、
という三つの驚きだった。


■日本は、アメリカに、もう一度やりなおし、前へ進む新しい道への見通しをもらった。アメリカは、(制限つきながら)日本人に独自の選択をする時間と余地をあたえた。選択とはたとえば、政党や労組を組織し、自分達で決めた方法で、リーダーを選ぶことだった。日本人はそれまで従って生きてきた規範と慣習を疑ってみる余裕をもった。何よりも、長い歴史の末に


はじめて個人として考え、決断するよう奨励された

 
■このアメリカの気前のよい贈り物(いわば脇へどいてくれる)は、あいにくとたえず手加減されていたが、


あっというまに全面撤回されてしまった


■日本をいかに作り直すか、当初からアメリカの意見は一つにまとまっていなかった。日本は黄禍(イエローベリル)であり、ヨーロッパのファシストとの提携関係を受け入れないとすれば、用意に左傾化するという見方が長い間支持されていた。


1946年アメリカの選挙で事態は一変。


「逆コース」が始まる。
GHQニューディール派追放。
・反共のイデオローグと財政主義の保守派が勢力奪還。
・1947年、国家安全保障会議NSC)指令→冷戦
・1948年、毛沢東が中国を奪う
・1949年、朝鮮戦争勃発


この「NSC文書13-2号」は、経済復興、安定を優先させ、改革は放棄された。
すべては封じ込めのために犠牲にされることになった。
・右翼ナショナリストのパージ中止。
アメリカの国益に反するとみなされた者はパージ。
・日本の同族支配の企業合同、財閥の解体の中止。
 →戦前の産業資本家の復活。官僚、政治家はほとんどパージされなかった。



→当初の改革の多くは(一部は取り返しのつかぬほど)台無しにされてしまった。



■現在の日本は、戦後アメリカが作り上げて以来変わっていない。
途方も無く腐敗しており、
市場支配に取りつかれており、
生態環境については無謀極まりなく、
個人を押し殺しており、
政治が正常に機能せず、
リーダーは不在で、
決断力はまったくない。


アメリカは、自由主義的な自主裁量権と市民権が存分に盛り込まれた新憲法を日本に与えたが、直後に、戦前のエリートを連れ戻してしまった。彼らが今日の日本、つまりは現代コーポラティズム(団体統合主義)の一例ともいえるような国家を作った。


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改行したり、太字にしたり、■を打ったり、→を書いたのは、私。